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ピンポンの続きを考えてみる 109 [Ping pongの続き]

※この物語は、松本大洋先生のピンポン(ping pong)の続きをあくまで勝手に考えたものです。オリジナルの作品とは一切関係ありませんので、ご承知置きください。

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「第109話  神道の真意」




まるで殴りつけるようにラケットを振り回した神道のスマッシュは、当然のごとく台からおおきく逸れる。



河野 11
神道 5



第一セットは、河野が大きく神道を離して獲った。



そのポイントの大部分が神道の自滅という、なんともいえない内容ではあったが…



河野「なにか…この先にあるんだろうな?」



思わず、河野は神道に話しかけた。



しかし、何かを考えている神道は河野の呼び声に気付かず、そのままベンチへ向かおうとする。



そんな神道の肩に手をやり、河野はもう一度話しかける。



河野「おい」



神道「…あっ、すいません」



肩を掴まれてやっと河野に気付いた神道は、思わず謝罪をする。



河野「この先に、ちゃんと何かがあるんだろうな」



神道「何かって…?」



河野「あんなヤケクソみたいなプレー、なんの理由もなしに続けられたら迷惑だ。もしお前になんの考えもないのなら、今すぐ試合はやめさせてもらう」



神道「…もう少し、続けさせてもらえませんか?」



河野「…気持ちが折れてたり、ただ単にヤケクソになっているわけじゃないんだな?」



神道「ん、まぁヤケクソには違いないんですが…気持ちが折れてたりとかじゃないですよ」



河野「あまりがっかりさせるなよ、俺は若い力には大きな期待をしているんだ」



神道「…どーも」



会話は終わり、二人は各々のベンチへ戻った。



神道は、特に自分からは誰に話しかけるわけでもなく、椅子に座って飲み物を飲んでいた。



そんな神道を小泉も放置していたが、声をかけたのは月本だった。



月本「間に合いそう?」



神道「…さすが、分かってますね」



月本「間に合わなければただの泥仕合だけど」



神道「間に合わせてみせます。じゃないと、どっちにしても負けるだけだ」



神道のその言葉を聞いて、月本は無表情のまま会話を終了させる。



神道は、そんな月本の様子をみて、正直安堵した。



第一セット…外から見れば、おそらく自分が自暴自棄になっているようにしか見えなかっただろう。



覚悟の上とはいえ、全員からそう思われながら試合に臨むのは神道のメンタルをかなり消耗させていた。



しかし、月本は分かっていてくれていた…おそらく小泉や風間も分かっているだろう。



それだけで、救われた気がした。



神道は、インターハイ決勝で月本との試合で見えた自分の理想のプレーを再現したかったのだ。



反応と反射…自分の持つ野性的な感覚に逆らわず、なおかつ思考を挟み込む。



それが自分の理想であり目指す姿だと確信していた神道は、それからもそのプレーを追い求めた。



しかし、この半年間でそれを実現できたの事はたった一度。



現実的にはかなり厳しいが、その感覚に到達しない限り、河野に勝つ事は不可能だろう。



そのためには、まずは自分の感覚を研ぎ澄まし、集中力を極限まで上げなければならない。



神道は、特にアウト・オブ・クエッションを狙っていたわけではない…その感覚を研ぎ澄ますために、ギリギリのプレーを続けていただけなのだ。



あの時のプレーを思い出せ…感覚を思い出せ…



神道は、ある日の自分を思い返していた。



次のお話はこちら

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